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3.青春ド真中と踊る大捜査線『踊る大捜査線』という刑事ドラマがありましたが、もし、太陽にほえろをプロデュースしていたら岡田晋吉氏が、あのドラマを見ていたら苦笑していたにちがいありません。というのも、踊る大捜査線は、太陽にほえろを、かなり痛烈にパロっているからです。太陽にほえろに出てくる刑事は、私心が薄く、なにかあるとよく走ります。そして何事にも全力でぶつかっていきます。 ![]() 刑事が青春しているわけですが、踊る大捜査線では、その部分を全部ちゃかして、刑事を官僚社会・階級社会・サラリーマンとしてとらえてえがいているわけです。しかし、この手法は1回こっきりしか使えません。 パロディーは、1回きりしか使えません。 長年にわたって積み上げてきた刑事ドラマのイメージをひっくり返して笑いをとる手法は、1回だけしか使えないんです。 これは青春ド真中でも、同じです。長年にわたって積み上げてきた青春学園ドラマのイメージをひっくり返して笑いをとる手法は、1回だけしか使えないんです。 現に青春ド真中は、1回こっきりで終わってしまっています。青春ド真中の後番組となった『ゆうひが丘の総理大臣』は、青春ド真中のスタッフ・キャストをそのまま流用し、シナリオも、ストーリーも似たようなものを用意したにもかかわらず、『ゆうひが丘の総理大臣』と『青春ド真中』は、似て非なる作品となってしまいました。 『青春ド真中』が、それまでの青春学園ドラマのパロディーであったのに、『ゆうひが丘の総理大臣』は、むしろ先祖返りのように、昔の青春学園ドラマの流れにそってしまっています。教師が生徒を導くドラマになってしまったのです。しかし、『青春ド真中』は、そういう作品ではありませんでした。 まず、主人公からして、教師ではなかった。失業中のアルバイト教師の物語だった。 つまり、教育現場を知らない。 教師としては常識はずれな言動と行動をする。 そして、学校とぶつかり、アルバイトとしての教師を辞めようとする。 そいう物語でした。 ![]() そのかわりに『学校は面白いところ』という妙な信念を持っていました。では、ストーリーの解説をしつつ、『青春ド真中』について語ってみましょう。 |