青春ド真中!
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■1話

01.優しさ
02.青春ドラマを否定した
03.踊る大捜査線
04.オープニング
05.3人の先生と下宿
06.修学院高校
07.校長と教頭
08.バクダンの過去
09.精密に設計されたシナリオ
10.これぞ学園ドラマの傑作

4.オープニング

 青春ド真中を語るには、1話のオープニングを見るのが一番です。そして、コケてしまっさた『俺たちの祭』のオープニングと比較すると、もっとより分かり易くなります。最初から『お笑いでいきます』と宣言しているのが、青春ド真中のオープニングだからです。

 これは、『俺たちの祭』に対する反省からきているに違いないし、プロデューサーの岡田さんも、青春ドラマ夢伝説で、そのようなニュアンスの発言をしています。要は、青春ド真中は、『俺たちの祭』のアンチテーゼであり、『俺たちの祭』の全く逆をやっていると言っても差し支えないと思います。

(注−アンチテーゼ・・・・特定の肯定的判断・命題に対して特定の否定的判断・命題を立てること。また、立てられた否定的判断・命題。ヘーゲル弁証法では、三段階発展の第二段階をさす。反措定。反立。反)

 では、青春ド真中は、どういうアンチテーゼを示してくれたかと言いますと、最初から『お笑いでいきます』と宣言する他に、過去を見せない、重いテーマをださない、マドンナと結ばせない、必要以上に漫画チックにしない・・・・というところでしょうか? ところが、このアンチテーゼによって、青春ド真中は、作家やプロデューサーの意図とは、違う流れの作品になってしまったきらいがあります。『俺たちの旅』と、ほぼ同じようなシチュエーションであったにもかかわらず、過去を見せない、重いテーマをださないという枷のために、バクダンは『俺たちの旅』のカースケとは、全く別人になってしまったのです。

(シチュエーション 【situation】1 境遇。立場。状態。2 事態。形勢。局面。3 小説・劇・映画などで、筋を展開させるために設定された状況)

 これが 『ゆうひが丘の総理大臣』になると、総理は、過去を見せるし、過去を引きずるキャラをそのまま見せてくれるし、重いテーマも扱ってくれます。しかし、青春ド真中のバクダンは、東南アジアでかなり苦労しているにもかかわらず、ほとんど過去らしきものを見せてくれないし、回想シーンもでてこなければ、過去にこだわっているようなところもありません。

 つまり、バクダンは、カースケとも、総理とも違っていた。バクダンは、自分の過去を語っても、決して自分の過去を画面でみせてくれない。過去にこだわっている様子もない。彼のもっている、こだわりがあるとしたら、
『学校は面白いところじゃないのか?』
という1点のみです。どういうわけか、この1点のみにしかこだわってない。そして、そのこだわりにそって、ストーリーが展開していくのです。

  こうなると、カースケとバクダンは、全く別人になってしまいます。惜しげもなく会社をやめてしまうカースケ。これがもしバクダンだったら『会社は面白いところじゃないのか?』という点にこだわっていたかもしれないのですが、カースケには、そういうこだわりはなさそうです。

 こういう論法で行くと、総理とバクダンも別人ですね。総理は、バクダンよりも、複雑な思想の持ち主だし、バクダンの『会社は面白いところじゃないのか?』という単純なこだわりには、満足しそうにありません。総理の視点は、もっと別なところにあるし、もっと複雑な心理をもっていそうです。

 話が、おおきくそれましたが、私が言いたかったことは、『青春ド真中』にでてくる主人公たち、バクダンは、非常にシンプルな考えの持ち主だったということであり、あえて過去にこだわることもせず、重いテーマで迫ることもなく、本当にシンプルに『学校は面白いところじゃないのか?』という信念と、お笑いだけで、ドラマの全編をひっぱっていったということなんです。そして、その象徴として、お笑いで始まるオープニングを用意しました。

 女生徒にからかわれて川に落ちるボーヤ。
 社会の窓を開けたまま授業を行い、生徒に馬鹿にされるヘー。
 そして、スケベまる出しのバクダン。

 これらのオープニングは、『俺たちの旅』や『俺たちの祭』のオープニングとは全く別物になってしまっていました。最初から『お笑いでいきます』と宣言し、面白くない学校を、面白くします・・・・と宣言するようでもありました。余談になりますが、中村雅俊は、この1年前に、NHKの大河ドラマ『花神』で、高杉晋作を演じ

『面白くない世の中を、面白く』

と言いつつ死んでいきましたが、まさにバクダンは、『花神』に登場した中村雅俊演ずる高杉晋作そのものであったと思います。このへんは、『青春ド真中』の作家やプロデューサーに、そういう意図があったかどうかは不明です。