青春ド真中!
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■2話

01.勉強という命題から逃げない
02.有沢健太と松本元を配置した
03.裸の女とエッチ度テスト
04.有沢の正体に迫る
05.松本の怒り
06.あれる松本・もとに戻る有沢
07.家庭環境をみせないつくり
08.そしてバクダンは
09.そして有沢は
10.そして平先生たちは



6.あれる松本・もとに戻る有沢

 松本元(草川祐馬)は、有沢健太(井上純一)をなぐり、二人は別れ別れとなります。本当なら、これで終わりです。ところが、松本元(草川祐馬)は、あれるのです。狂ったように他人に喧嘩を売り、自分を痛めるのです。

(ちなみに、この喧嘩シーンで生徒の一人が鞄を空高く投げてとびかかりますが、股旅もの映画のシーンそのものでした)

 そこにバクダン(中村雅俊)が乱入するわけですが、あきらかにバクダン(中村雅俊)のほうが喧嘩慣れしているし格闘家のように強いですね。そして事情を知ったバクダン(中村雅俊)は、有沢健太(井上純一)を海辺に呼び出して、2人の仲をとりもとうとします。

「あいつも寂しがっているよ、お前とつきあえなくなったことを・・・・」
「・・・・」
「勉強ができようが、できまいが、友達は友達じゃないか。そんなことで壊れるほどチャチいものだったのか、お前たちのつきあいというものは」

 しかし、有沢健太(井上純一)の回答は、意外なものでした。有沢健太の口からは、松本元との友情論については、これっぱっちも出てこないのです。これが別の番組だったら、「有沢は、どうして自分を偽ったんだ? 友情って、そんなもんじゃないだろう?」という切口のドラマになっていたはずです。

 しかし、「学校は楽しいところではないのか?」という大テーマを追いかける『青春ド真中』では、そういう切り口でドラマを展開させません。ここでは、安っぽい友情論は出てこないのです。有沢健太の回答は、こうです。

「そんな単純なものではないんだよ先生」
「何?」
「俺たちは小学校の時から、勉強しろ勉強しろって言われてきた」
「・・・・」
「俺たちにとって学校というところは、勉強するところなんだよ。ただ、それだけのところなんだよ」
「・・・・」
「先生よ、そんな中で俺たちが勉強できないってことが、どんなに悔しいことかわかるかい? 俺も、あいつらとつきあうようになってはじめて、その悔しさがわかったんだ。元のやつは、あちこちの学校をたらい回しにされたうえに、勉強が全然わからなくなって、何をやってるのか分からないのに、1時間教室に座っているということが、どんなに辛いことか分かるか先生!」
「・・・・」
「それなのに、誰も何もしてくれないんだよ」
「・・・・」
「できる奴は、特別教室を作ってどんどん教えてくれる」
「・・・・」
「元のような奴はも、はじめから見放されているんだよ」

 有沢健太(井上純一)は、友情論で攻めてくるバクダン(中村雅俊)に対して、それには答えずして、学校論で反論してきます。まるで「学校は楽しいところじゃないんだよ!」と反論するような回答をだしてきます。しかも有沢健太は、松本元に対して、とても気遣っています。松本元を気遣うことによって、バクダン(中村雅俊)の友情論にトドメをさしています。

「俺のことは、心配いらねえよ先生」
「・・・・」
「俺のこと心配してくれる暇があったら、元のこと心配してやってくれよ」
「・・・・」
「俺は、特別教室に入る」
「特別教室?」
「友達がいなくなったんだから、せめて勉強を支えに生きていくんだよ」
「・・・・」
「俺のことは、心配いらねえよ先生」
「・・・・」

 有沢健太と松本元。
 二人の友情は、別れ別れとなっても、強固に続いていたのです。
 二人には、安っぽい友情論は必要なく
 すでに本物の友情が流れていました。

 有沢健太は、松本元との別れを決意し、特別教室に入ると言います。それでいて、心底、松本元の心配をして、バクダン(中村雅俊)に松本元のことをたのんで去っていくのです。有沢健太は「学校は楽しいところではないのか?」という信念をもつバクダンに、鋭い刃をつきつけて去っていったのです。

 ちなみにバクダン(中村雅俊)は、この時まで、落ちこぼれをなんとかしようとか、出来ない生徒をどうにかしようとは、これっぽっちも思っていません。もともとバクダン(中村雅俊)は、そういう理想に燃えた教師ではないのです。